坂本城について


概要

 坂本城は、元亀二年(一五七一)の比叡山延暦寺の焼討ちにより、滋賀郡から敵対勢力が排除されたのを機に、織田信長の命により明智光秀によって下坂本(現在の滋賀県大津市下阪本3丁目)の地に築かれた城です。その後、天正十年(一五八二)の本能寺の変の後に焼失します。しかし、すぐに羽柴秀吉に与する丹羽長秀により再建され、杉原家次、浅野長吉(長政)と城主が代わり、天正十四年(一五八六)頃に、浅野長吉により大津城に移築され、廃城となりました。従って、坂本城が存在したのはおよそ15年間となります。
 遺構が少なく、現在ではほとんどが住宅地となっており、また当時の絵図面などは現在まで見つかっていないため、曲輪の配置や位置関係はわかっていません。古文書や現在に残る地名等から、中心は現在の東南寺辺りにあったと推定されています。